2017年6月27日火曜日

安比高原の水芭蕉

 
童話 タネリはたしかにいちいち噛んでいたようだった より
 
丘のうしろは、小さな湿地になっていました。
そこではま っくろな泥が、
あたたかに春の湯気を吐き、
そのあちこちには青じろい水ばしょう、牛の舌の花が、
ぼんやりならんで咲いていました。

タネリは思わず、また藤蔓を吐いてしまって、
勢いよく湿地のへりを低い方へつたわりながら、
その牛の舌の花に、
一つずつ舌を出して挨拶してあるきました。

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